空き家対策特別措置法について
平成27年5月に施行された「空き家対策特別措置法」。施行当初はニュースなどで取り上げられたものの、実はその内容をご存知の方は多くはないようです。しかし、空き家を持っている方には無関係でいられないとても重要な法律なのです。
ちょっと地方に足を延ばすと、しばしば見かける寂しい風景です。
空き家を放置すると法的な責任が生じます
管理する人がいない空き家は、老朽化しても修繕がされないことが珍しくありません。修理がされない場合は、
- 構造腐食による倒壊
- 屋根、外壁の飛散
等の被害が発生する危険性があります。このような問題が出た場合、当然その所有者が責任に問われることになります。これは民法717条に記載されています。
1. 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2. 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3. 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
衛生、治安も大きな問題
空き家はネズミや猫ばかりでなく、最近話題になっているアライグマ、ハクビシンなどの外来獣のすみかとなり、そこを拠点にして近隣を荒らしたり不衛生な状態にしたりすることがあります。その他にも
- 住人がいないためゴミ等の不法投棄
- 住人がいないため犯罪行為に使用される
など衛生、治安の悪化の温床になることもあります。
また自然発火による出火などの危険性もあります(この場合も、民法で、空き家の所有者に損害賠償請求することができる可能性があります)。
資産価値も下落する一方
空き家だとわかっていても、解体しない方もいらっしゃいます。解体しても他に土地の使い道がないし、解体すること自体にお金がかかってしまうため、躊躇してしまう場合です。
しか過疎地域などでは空き家を放置することで建物はおろか、土地自体も資産価値が下落してしまうこともあります。
場合によっては強制解体も!
大変状態の悪い空き家は行政から改善するように勧告されることになります。そしてこの勧告を無視し続けていると、勧告が命令となり、これも無視していると行政代執行(強制執行)により、建物を強制解体することになります。
もちろんこの解体に伴う全費用は、空き家の所有者に請求されることになります。
空き家を放置しないようにするために
このように、空き家をそのまま放置していると様々なデメリットがありますが、一方で少子高齢化の影響などもあり空き家は今後どんどん増えると予測されています。
空き家になった場合は解体する以外にも様々な使い道があり、また法的な対策をすることもできますので、ぜひそのままにするのではなく専門家に相談することをお勧めします。
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