刑事事件の保釈と保釈金について

刑事事件の裁判を待つ被告人は留置所や拘置所に勾留されることが多いです。しかし、保釈金を納付することで、一時的に身柄を解放してもらえる制度があります。それが保釈制度です。

今回はこの保釈と保釈金について説明します。

保釈と保釈金について

保釈が認められ、保釈金を支払えば、一時的に勾留から解放されます。

保釈とは何か

保釈には三種類があります。

すべての被告人が有する権利としての「権利保釈」

6つの条件に当てはまる場合は、被告人の保釈が認められることになります。

ただし、証拠隠滅の可能性がないか等の条件判断において、裁判所の判断が入りますので、必ずしも保釈が認められるか否かが請求前にわかる訳ではありません。

裁判所の裁量で保釈する「裁量保釈」

権利保釈が認められない場合でも、様々な事情を踏まえて、裁判所が保釈が妥当であると判断されたら「裁量保釈」となります。

勾留が不当に長い場合に請求できる「義務的保釈」

この義務的保釈は、刑事訴訟法第91条でこのように規定されています。

一 勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第八十八条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。
(刑事訴訟法第91条より)

保釈金とは

保釈金とは「身柄を解放する代わりに、一旦国に預ける」お金のことを言います。つまり「お金を払う代わりに保釈してもらう」のではなく、預ける形なので、判決結果が有罪でも無罪でも、最終的には戻ってくるものです。

ただし、保釈中に逃亡したりしてしまうと、保釈金は戻らず、場合によっては全額が没収されてしまうこともあります。

保釈金の金額の目安

保釈金の金額は、ニュースなどで著名人が数千万支払ったなどとあったりすると「すごい金額だな!」と思われるかもしれませんが、一般の場合はそこまで高額にはならないです。すべての被告人の状況ごとに決められます。主に

  • 想定される罪の重さ
    刑が重ければ重いほど当然、逃亡などの可能性が高くなりますので、金額が大きくなります。
  • 被告人の経済力
    著名人の保釈金が大きい一つの理由がこれです。例えば100万円という金額は。資産家とそうでない方にとっては価値がまったく違うものになります。ですので、被告人の財産が考慮されます。

などで総合的に判断されます。

保釈の申請について

保釈申請は、原則として担当弁護士が行います。申請は起訴直後から可能ですので、すぐに担当弁護士に相談すると良いでしょう。

弁護士が申請書を提出した後、すべての申請が通るわけではなく、却下されてしまう場合もあります。

許可された場合は、保釈金の金額や、守るべき保釈条件が伝えられます。

却下されても再申請できる

保釈申請が却下された場合は再申請をすることができますが、担当弁護士とよく相談することが大切です。

弁護士とよく話し合おう

保釈はどのような場合でも申請するべきとは限らず、保釈の可能性や経済的な問題などを十分に考慮しながら決めていくべきものです。

しかし勾留が長くなると被告人の心身への負担は大変大きなものになりますので、できるだけその負担を省くためにも、保釈を前向きに考えたほうが良い場合ももちろん多いです。

弁護士法人法律事務所DUONは、茨城県全域で数多くの刑事事件に携わっておりますので、ご遠慮なくご相談ください。初回相談料は無料とさせて頂いております。

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