後遺障害の等級認定の必須知識です

前回の記事「後遺障害の慰謝料と逸失利益について」で、慰謝料と逸失利益を請求できるということが分かりました。今回はその請求を決定づける重要事項である「後遺障害の等級認定」について説明していきます。

後遺障害等級認定のイメージ写真

前回の記事:後遺障害の慰謝料と逸失利益について

等級認定は被害者のための制度です

後遺障害(後遺症)の種類は様々ですが、いずれも損害保険料率算出機構による等級認定を受けなければなりません。そもそもなぜ必要なのでしょうか。
事故による怪我などは治療費が出ますが、「これ以上回復の見込みがない」という症状固定の状態になると、治療費の請求ができなくなります
ですので、事故により明らかに事故前に比べて労働能力に低下があると認められる場合、以前の収入などを補填する必要がありますので、その程度に該当する等級の認定が必要となるということです。
後遺障害の等級認定がされたら認定された後遺障害の等級に従って裁判実務により、所定の金額の後遺障害慰謝料が認められることになります。

  • 後遺障害慰謝料
  • 逸失利益

上記は等級認定されて初めて請求でき、また等級によりその内容が大きく異なることを意識しましょう。
裁判所は損害保険料率算出機構の等級認定に従って判断するのが原則です。したがって症状が固定した後、訴訟提起する前に、損害保険料率算出機構の等級認定の申請をするのが一般的です。

後遺障害等級認定の申請は2種類あります

後遺障害の等級認定はすべて保険会社が行うとは限りません。これが後々の請求に大きな影響を及ぼすので注意が必要です。

1)事前認定

相手方が加入している任意保険会社が後遺障害等級の認定の手続きを行う方法を「事前認定」と言い、一般的にはこの方法を選択しているケースが多いようです。
等級認定の証明に関わる、例えばレントゲン等の必要な資料の取り付けなどのすべてを相手方の保険会社が行ってくれるので、等級認定作業に関わる被害者側の負担が軽いのは一見メリットに見えます。
ですが、もちろんこれを行う保険会社はあくまで相手方。つまり「等級が上がると保険会社の負担が増える」ことになるわけで、ここは気をつけたいところです。例えば、相手方保険会社が等級認定に対する意見書を付して申請することがあり、その結果、等級認定に影響を及ぼしてしまうことがあるからです。

2)被害者請求

被害者側が損害保険料率算出機構に対し直接申請するのが「被害者請求」とよばれる方法です。
医療機関からの資料の取り付けなどのすべてを被害者側が行う必要があるので、例えば治療期間が長期であったり複数の医療機関にかかっていた場合は、これらの作業負担が被害者側にとって大きくのしかかる場合があります。

しかし被害者側で行われるということは加害者側の意図的な介入ができないことなので、これは非常に大きなメリットです。長い目で見ますと多くの場合で「被害者側請求」の方がより大きな金額の請求を行うことができ、後遺障害のある生活を少しでも豊かに、安心して暮らして頂けます。

もちろん、これらの作業は被害を受けた方がすべて行う必要はありません。私たち弁護士が被害者の方に代わって行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

後遺障害診断書は再チェックできる

後遺障害等級認定は原則として書類審査のみで面談等は必要とされません。したがってレントゲンやMRI・CTなどのの画像や医師による各種書類を充実させることが最大のポイントです。
そして等級認定で最も重視されるのが、医師による「後遺障害診断書」であり、この内容でほぼ等級が決まってしまうと言っても過言ではないかもしれません。
また「よく知らずに後遺障害診断書を作成してもらった」という場合でもご安心下さい。等級認定の申請前であれば内容を吟味し、事実と異なるなどの場合は後遺障害診断書を再度作成してもらうことが可能です。

どのような後遺障害診断書が等級認定上プラスになるかは法律の専門的知識が必要となりますので、不安のある方はぜひ私たち専門家にご相談下さい。茨城県つくば市エリアの法律事務所DUONがみなさまのお困りを解決します。

(弁護士塩見崇一郎:プロフィール

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