遺産相続トラブル多発!「寄与分」「特別受益」って?
遺産分割協議では、相続人同士の話し合いがスムーズに進むことが理想です。
しかし、どうしてもお互いの意見が合わなかったり、残された遺言の解釈についてお互いが譲らなかったりして、残念ながら対立してしまうこともあります。
肉親同士の泥沼のトラブル。「相続=争続」と言われるゆえんです。
トラブルになりやすい「寄与分」と「特別受益」
遺留分減殺請求のように、取得割合が明らかな場合は、取得率自体が法律で定められています。
▼遺留分についてはこちらをご覧下さい。
相続、遺言 遺留分について覚えておこう
一方、数字で明確に示されていない権利である「寄与分」と「特別受益」は、取得率が法律で明示されない分、トラブルが起こりやすいです。
遺産相続の「寄与分」とは
被相続人の生前の生活に寄与してきた。つまり、
- 入院中にずっと看病してきた
- 生前の事業の手伝いを行ってきた
などの行為を行っており、それがなおかつ「無償」で「継続的」に、そして「専従的」に行ってきたなどの幾つかの条件を満たしている必要があります。
寄与分の例
私がお聞きした例で、母親が亡くなって法定相続人が兄弟4人だったケースがあります。
これは長男が約5年にわたって、介護が必要な母親が亡くなるまでずっと世話をしたケースで、最終的に4人の相続人による協議により、寄与分が認められました。
ただし、この場合もトラブルなく…とはいかず、「どの程度やったのか証拠を見せろ!」「面倒見たからといってカネを取るのか!」などという口論があったそうです。
他の相続人の協力もあり協議の場で話がまとまっただけでも、まだ良い例だと思います。
遺産相続の「特別受益」とは
特別受益とは被相続人が生前に、特定の相続人だけに利益を与えていた場合を指します。例えば、
- 他の相続人(兄弟)が高卒なのにひとりだけ大学院まで学費を出してもらった
- 結婚して実家の近くに住んだので土地を贈与してもらった
その他、結婚資金を出してもらった、などなど…。
特別受益には「これ」という決まりがないので、何が認められるかは「どれほどの額であり、該当の相続人の経済や生活状況にどれほどの影響を与えたか」で決まってきます。
ですので、この場合も「お前ばかりが得をした!」「いやたいした金額じゃなかった!」などという口論の元になってしまうのです。
※被相続人が死亡した際の生命保険金など、特別受益には該当しないものもあります。
▼寄与分と特別受益についてはこちらをご覧下さい。
寄与分と特別受益
対立してしまったら第三者を
相続人同士というのはほとんどの場合が肉親や、そうでなくてもかなり近い身内ですので、感情的になってしまうと、相続の内容だけでなく、お互いの生活態度やこれまで口にしなかった不平不満などを言い合ったりと、相続の話し合いの場が相手への罵りの場になってしまうことがあります。
そして、相続の問題はなんとか決着しても、お互いの関係に決定的な亀裂を残してしまうことがあります。こういったことは実は少なくないのですが、大切な肉親同士、できるだけ避けたいことですね。
相続人同士だけではなく第三者を入れることにより、お互いが冷静に、そして客観的に話をすることができるようになることは少なくありませんので、「危ないな」と感じたら行政書士や弁護士などの第三者を挟んで話し合いをすることも良い方法です。
特に、相続問題の経験を多く持つ法律の専門家であれば、法律や過去の事例などを参考に、最も良い解決方法を導き出してくれることも多いです。
法律事務所DUONは、これまで茨城県で多くの相続の問題を解決して参りました。茨城県全域でのご相談をお受けてしております。初回相談料は無料となっておりますので、お気軽にご相談ください。