交通事故 PTSDは損害賠償が請求できる場合がある
交通事故の被害者が被るのは、多くの場合が怪我などによる身体的障害(器質性障害)ですが、事故の際に大きな恐怖体験をした場合などはPTSDなどの精神的障害(非器質性障害)がある場合があります。
このPTSDについて、そして損害賠償についてをお話します。
交通事故は、時に大きな精神的ショックをもたらします。
PTSDとは?
PTSDとは " Post Traumatic Stress Disorder " の略で、日本語に訳すと「心的外傷後ストレス障害」と呼ばれます。
厚生労働省のサイトには、以下のように説明されています。
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。
突然、怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないといった症状が出てきます。とてもつらい体験によって、誰でも眠れなくなったり食欲がなくなったりするものですが、それが何カ月も続くときは、PTSDの可能性があります。ストレスとなる出来事を経験してから数週間、ときには何年もたってから症状が出ることもあります。
事故後しばらくして発症することが多い
PTSDを発症するほどの被害は多くの場合で器質性障害も重症だったり、激しい事故だったりすることが多いです。
そのため警察や保険会社とのやり取り、通院、そして仕事を休むなどの場合は会社とのやり取りなどに忙殺されます。そして、それが一時的におさまった頃にPTSDが発症する場合が多いともいわれています。
そして、主な症状として以下のような状態になると、パニック状態になったり、精神的に無感覚に陥ったりします。また激しい動悸に襲われたり血圧が一時的に上がるなどの身体症状を伴うことも少なくありません。
- 事故当時の再体験(フラッシュバック)をする
- 事故を想起させるものに遭遇する
- 鬱状態(意欲的な生活が送れなくなるなど)
この他にも様々な症状があります。詳しくは厚生労働省の「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準」にありますのでご覧ください。
PTSD認定されると損害賠償が請求できることも
PTSDが事故により発生した疾患だということが証明できれば、損害賠償の請求が可能な場合がありますが、ただ単に「フラッシュバックの症状が出た」等ではなく、それにより生活に何らかの支障をきたしているという事実を証明することが必要です。
例えば「自動車を見ると恐怖で動けなくなってしまい公道を一人で歩けず仕事もできない」などですと、それまで送ることができていた生活がそのまま送れない状態ですので、損害賠償の対象となる可能性があります。
気づいた時点で早めに専門家に相談を
PTSDは
- 器質性障害のように目に見えない
- PTSDになる人がいればならない人もいる
- 発症の時期がまちまちである
- 事故との因果関係がはっきりしないことがある
などで、損害賠償についてはとても争点になりやすいです。また、発症していても本人が気づいておらず、周囲が「あれ?これはおかしい」と後になって気づくケースもあります。
しかし後から気づいても既に示談が成立してしまっている場合もあり、もう請求できない状態になっていることもあります。ですから「交通事故でのPTSDは少なくないものだ」と考え、万が一の事故に備えておく必要があります。
そしてご本人はもちろん、身近にこのような方がいらっしゃったら、できるだけ早く専門医の診察を積極的に受けること、法律の専門家などに相談することをお勧めします。
私たち法律事務所DUONは茨城県全域で交通事故のご相談をお受けし、多くの問題を解決して参りました。
何か気になることがありましたらお気軽にご相談ください。初回相談料は無料とさせて頂いております。