妻が風俗店で働いたら離婚事由になるか?

「妻が風俗店で働いていたら、離婚できるのか」というご質問をされることがあります。最近では「生活費が足りないためやむなく」ということもあるようです。

夫が知ってしまったら大変なショックを受け、離婚問題に発展してしまうことも…。

そもそも、風俗で働くと法律的な離婚事由になるのでしょうか?

風俗で働く妻との離婚について

今回は「風俗で働く妻との離婚」について、弁護士が解説します。

1.風俗で働くと法定離婚事由としての「不貞行為」になる

1-1.そもそも不貞とは

民法では「不貞」が「裁判上の離婚原因(法定離婚事由)」とされています。
不貞とは「配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」です。

基本的に「肉体関係」がある場合に「不貞」になるので、肉体関係がなければ、「不貞」には当たりません。

妻が風俗店ではたらく場合にも「肉体関係」をもっているかがポイントとなります。

▼離婚事由についてはこちらをご覧ください
離婚する際に大切な【離婚事由】について

1-2.風俗店勤務が不貞になるケース

妻の風俗店勤務が「不貞」になるのは、以下のような場合です。

「本番」のある店

不貞になるのは、勤務先の店が肉体関係を伴うサービス(いわゆる「本番」)を提供する場合です。
一口に風俗店といってもサービスの内容がいろいろあります。本番のない店では「肉体関係」がないので「不貞」に該当しない可能性があります。

生活費のためであっても不貞になる

妻が「生活費のためにやむなく行った」と主張するケースがあります。ただ不貞は目的にかかわらず成立します。夫の給料が少ないからといって「不貞」して良いわけではありません。生活費のためであっても不貞が成立すると考えましょう。

1-3.風俗店に勤務しても不貞にならないケース

以下のような場合、妻が風俗店に勤務しても不貞にならない可能性が高いです。

本番行為をしていない

店のサービス内容に本番行為が含まれておらず、かつ店外でも性的関係を一切もっていない場合には「不貞」になりません。

夫が強要した場合

夫が妻に対し生活のためなどの目的で風俗店での勤務を強要した場合、夫が妻に不貞を理由に離婚や慰謝料請求するのは難しくなるでしょう。

2.不貞がなくても離婚原因になるケース

妻が「本番」行為をしておらず、その他の性的なサービスを提供しただけであり、不貞が認められない場合でも、他の「離婚事由」が認められる可能性があります。
妻による不適切な行為が「婚姻関係を継続し難い重大な事由」になるケースが考えられるためです。
婚姻関係を継続し難いか判断する際には、以下のような事情が評価されることになると思われます。

  • サービスの内容
  • 勤務していた期間
  • 妻が積極的にサービス提供していたか
  • 経済的に苦しい状況が発生していたか
  • 妻が家に帰らないなど、家庭を放棄していなかったか
  • 別居したか、別居が長期間継続していないか

裁判では、上記のような事情を総合的に評価して、「夫婦関係が破綻」したかが判断されることになると思われます。破綻しているとされると、判決によって離婚が認められます。

▼「婚姻関係を継続し難い重大な事由」の離婚事由については、こちらの記事をご覧ください
離婚する際に大切な【離婚事由】について

3.不貞で認められる慰謝料

妻の不貞を理由に離婚するなら、妻へ「慰謝料」を請求できます。また不貞相手は連帯責任を負うので、店の客にも慰謝料を請求できる可能性があります(但し、お客が既婚者であると知っている必要等越えなければならない問題はあります)。妻が夫に内緒にしたまま風俗店ではたらいていたために離婚を余儀なくされたら、夫は大きな精神的苦痛を受けますし、子どもがいたらより大きな影響を受けるでしょう。適正な金額の慰謝料を請求すべきといえます。

不貞にもとづく慰謝料の金額の相場は100~300万円程度です(最近は、100~200万円程度に収束して来てる傾向があります)。

4.不貞行為を立証するには証拠が必要

妻が風俗店で客と性的関係をもっているとしても、「不貞」の証拠がなければ離婚や慰謝料請求が難しくなります。事前に証拠をできるだけ揃えましょう。

ただし風俗店勤務の場合、通常の浮気と違って「ラブホテルから出てきたところの写真」「電話の通話明細書」などを見つけられないのが通常です。風俗店自体が「うちでは肉体関係をサービスとして提供していない」と主張すると、不貞行為を立証できなくなってしまう可能性もあります。

不貞の証拠を入手するには、妻や店を追及する前の段階である程度の証拠集めをしておきましょう。困ったときにはお早めに弁護士までご相談ください。

▼証拠についてはこちらを参考にしてください
離婚する前からの証拠集めが重要です

5.夫が風俗店通いを知っていた場合の問題点

「生活に苦しくて妻がやむなく風俗店で働いている」場合でも、基本的には「不貞」となります。
ただし夫が事情を知りながらも「生活費のため」などと考えて黙認していると、離婚を主張できなくなる可能性があるので注意しましょう。妻が風俗店ではたらいているのを知りながら長期間放置して妻が稼いできたお金で生活していたのに、後になって「離婚」「慰謝料」を請求するのはあまりに身勝手と判断される可能性があるのです。

一方で「黙認ではなく我慢していた。限界に達したので離婚したい」というのであれば、先程の例と比べると離婚が認められやすくなるでしょう。

同じ「知っていても何も文句を言わない」場合でも、状況によって法律的な評価が異なります。迷ったときには弁護士による助言を受けてみてください。

6.専門家へご相談ください

妻の風俗店勤務が離婚事由となるかはケースバイケースです。事前の証拠集めも必要ですし、風俗店を巻き込むとトラブルが大きくなってしまう傾向があります。

困ったときには専門家の力を頼りましょう。アドバイスを受けて慎重に準備を整えれば、不利益を受けないように離婚への手続きを進めていけます。法律事務所DUONでは、秘密を厳守し初回相談料は無料とさせていただいています。まずは一歩踏み出すことが解決へとつながります。できるだけお早めにご相談ください。

この記事は弁護士が監修しています。

片島 均(弁護士)弁護士法人法律事務所DUON
茨城県弁護士会所属(登録番号:42010)

交通事故、相続、借金破産、離婚、刑事事件、不動産、企業法務(労働問題)など幅広い分野に対応。
代表を務める弁護士法人法律事務所DUON はほぼ全ての分野の法律問題をお取り扱いしています。全体の案件数としては、地域柄もあり「離婚事件」や「交通事故事件」「破産事件」「相続問題」等のお取り扱いが多いですが、法人・事業者様の労使問題等にも力を入れており、特に地元の中小企業の経営者様を中心にご相談いただいております。

ご依頼、ご相談はこちら

→クリックで相談電話する(モバイル専用)

法律相談のご予約

トラブルに巻き込まれたら、早期の相談が重要です。ご相談はお早めにどうぞ。

新規相談受付専用ダイヤル:0120-074-019(相談予約受付時間:平日・土日祝日8時~24時)

相談予約フォーム

詳細はお問合わせ下さい。

守谷取手本部事務所
水戸駅南口・北口事務所
つくば土浦事務所
石岡小美玉事務所
結城小山事務所