債務整理をする方に特徴はある?借金を抱える原因や年齢などを解説

「債務整理を行う人には、どのような特徴がある?」
「どうして高額の借金を抱えてしまうの?借金をしてしまう理由とは?」
「債務整理を行う方の年齢層を知りたい。」

債務整理とは、主に「任意整理・個人再生・自己破産」とよばれる3つの方法を使って、借金の問題を解決へと導くことを意味します。

高額の借金を抱えてしまう原因は、人によって異なっており、いろんな事情が考えられます。そこで、この記事では「2020年 破産事件及び個人再生事件記録調査」(日本弁護士会連合会調べ)をもとに、自己破産と個人再生に焦点をあてて、「債務整理をする方の特徴」を解説します。

債務整理をする方の特徴とは|手続きごとに詳細を解説

債務整理には冒頭に触れたように、主に3つの方法があります。その中でも、自己破産と個人再生の2つの方法は、裁判所に申立てを行うことで借金の問題の解決を目指す手続きです。この章では、債務整理をする方の特徴について、自己破産と個人再生の2つに分けて詳細を解説します。

自己破産をする方の特徴とは

自己破産とは、借金の返済ができなくなった方が裁判所に申立てを行い、返済の免除を目指す手続きです。免責許可が決定するとほとんどの借金は返済しなくてもよくなりますが、滞納税金など認められないものもあります。では、自己破産をする方にはどのような特徴があるでしょうか。

①破産にいたる理由

自己破産をする方の多くは、多重債務の状態です。多重債務に陥った上位3つの理由をご紹介します。

1位 生活苦・低所得

この調査では、生活苦・低所得が第1位となっており、3位以外の理由にもクレジットカードの利用や生活用品の購入、教育資金も見られることから、「生活のために借金を重ねてしまった」方が自己破産にいたっています。

2位 病気・医療費

多重債務から自己破産に発展する方の中には、「働けなくなって返済不能に陥った」方がいます。働けなくなった理由に病気を挙げる方は多いのです。また、医療費の高騰により返済不能に陥る方も少なくありません。

3位 負債の返済

負債の返済もまた、重い負担となっています。いわゆる「自転車操業」に陥った結果、自己破産をする方は大変多く、1社の借入から3社へ、5社へ、と借入先が雪だるま式に増えてしまうと、利息だけを各社に返済している状態に陥ります。元本が一向に減らない結果、ついには返済不能に陥ってしまうのです。

■その他の理由は以下をご参考ください。
第1位  生活苦・低所得61.69%
第2位  病気・医療費23.31%
第3位  負債の返済(保証以外)20.48%
第4位  失業・転職17.58%
第5位  事業資金16.13%
第6位  生活用品の購入14.76%
第7位  浪費・遊興費11.37%
第8位  教育資金9.84%
第9位  給料の減少9.60%
第10位  保証債務9.44%

参考 「2020年 破産事件及び個人再生事件記録調査」(日本弁護士会連合会調べ) 第2 破産記録調査結果分析 1 破産債務者の実像 (1) 破産理由(多重債務に陥った原因)より

②破産をする方の年齢の特徴

自己破産をする方の年齢層はどのようなものでしょうか。同じように、「2020年 破産事件及び個人再生事件記録調査」を参考にすると、年齢層の特徴としては、「働き盛り」とも言える40代が1位となっています。

この年齢層は一家の大黒柱として、住宅ローンや教育ローンなどを抱えている方も多く、転職や病気などをきっかけに返済困難に陥りやすくなると考えられます。第2位は50代、第3位は60代であり、長年返済をコツコツと続けていた方が、何らかのきっかけで返済できなくなることも多くなっています。

③自己破産をする方の債務総額の特徴

自己破産をする方は、高額の債務を抱えており、任意整理では解決できない方が多いですが、債務総額には意外な印象を抱くかもしれません。同調査によると、破産債務者の平均負債額は1449万9580円です。

前回調査では1975万6718円であり、実は債務総額は減少傾向にあります。

100万未満の借金でも、収入がない高齢者の方が自己破産を希望する例は多く、債務総額ではなく、収入やご年齢、これからの生活の再建なども見据えながら、債務整理の方法を十分に検討する必要があるでしょう。

ギャンブルなどの浪費だけが自己破産理由ではない

自己破産と耳にすると、パチンコなどのギャンブルを重ねた結果、多重債務に陥るようなイメージを持つかもしれません。

しかし、自己破産理由における浪費・遊興費は第7位に過ぎず、多くの方は生活を理由に挙げています。実際に新型コロナウィルスなどの社会情勢の変化で仕事が減り、自己破産を決断した方もおり、ギャンブルで浪費した方だけが自己破産をするわけではありません。

返済が苦しい、病気で返済ができず申し訳ない、と悩んでいる方は、まずは債務整理の専門家である弁護士に気軽に相談されることがおすすめです。

個人再生をする方の特徴とは

個人再生とは、裁判所に申立てを行い、借金の総額を大幅に圧縮した上で、原則3年間で返済をする「再生計画」を認可してもらう方法です。自己破産のように免責を許可してもらうものではないため、免責不許可事由がある方も申立てができます。

また、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」があるため、住まいを守りつつ、その他の借金は大幅に減らして欲しい方にも適しています。

①個人再生にいたる理由

個人再生を行った理由の上位3位をご紹介します。

1位 生活苦・低所得

自己破産と同様で、個人再生を行う方も生活苦・低所得を理由に挙げています。

2位 浪費・遊興費

自己破産では免責不許可事由によって破産ができない可能性がある「浪費・遊興費」が第2位です。第4位にはギャンブルもあることから、浪費が多く、自己破産ではなく個人再生を選択しているケースも多いと考えられます。

3位 住宅購入

自己破産とは大きく異なる特徴に、第3位の「住宅購入」が挙げられます。住宅ローンの返済は続けながら、その他の借金を減らしたいか方個人再生を多く利用する傾向があるため、個人再生の理由にも上位ランクインしていると考えられます。

■その他の理由は以下をご参考ください。
第1位  生活苦・低所得37.35%
第2位  浪費・遊興費24.10%
第3位  住宅購入20.48%
第4位  ギャンブル19.28%
第5位  負債の返済(保証以外)16.87%
第6位  クレジットカードによる購入14.06%
第7位  生活用品の購入13.25%
第8位  その他12.99%
第9位  教育資金12.05%
第9位  病気・医療費12.05%
第10位  給料の減少11.51%

参考 「2020年 破産事件及び個人再生事件記録調査」(日本弁護士会連合会調べ) 第3 個人再生記録調査結果分析 1 個人再生申立債務者の実像 (1) 申立理由(多重債務に陥った原因)より

②個人再生をする方の年齢の特徴

個人再生をする方の年齢層はどのようなものでしょうか。引き続き「2020年 破産事件及び個人再生事件記録調査」を参考にすると、年齢層の特徴としては、第1位は40代、第2位に50代、第3位に30代となっており、自己破産よりも年齢層は低い傾向があります。

③個人再生をする方の債務総額の特徴

負債額は住宅ローンを含んだ記載と住宅ローンを含まない記載が混在している数値ですが、以下のとおりです。

第1位1,000~2,000万円未満、第2位は700~1,000万円未満、第3位は2,000~3,000万円未満です。自己破産よりも債務総額が大きい傾向にあります。

住宅ローンがあっても、債務整理はできる

個人再生の大きな特徴には、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」が挙げられます。自己破産をする場合は、住宅ローンだけ除いて破産をすることはできません。

そのため、住宅ローンの残債がある自宅は、親族に買い上げてもらうなどの回避策が用意できなければ、競売が行われます。しかし、大切な自宅を残しつつ、その他の債務を何とか減らしたい場合、個人再生が有効な解決策となります。債務整理をすると自宅が失われる、と思っている方がいますが、まずは弁護士にご相談されることがおすすめです。

債務整理を検討したら|早めに弁護士にご相談を

この記事では、債務整理をする方の特徴について、自己破産と個人再生の2つの視点から詳しく解説を行いました。

自己破産と個人再生はともに裁判所に申立てを行い、借金の問題を解決する方法ですが、その特徴は大きく異なります。もしも、現在返済に行き詰まっている場合には、ご自身に適した解決方法を知るためにも、まずは弁護士に相談することが大切です。

債務整理を依頼する場合は、抜群の相談実績がある、「弁護士法人 法律事務所DUON」をご検討ください。借金問題に習熟した弁護士がチームとなり、借金の悩みを全力でサポートします。初回相談は無料ですので、お気軽にご利用ください。

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