弁護士に借金問題解決の依頼をしたら督促が止まるのはなぜ?
借金を滞納していると、借入先のカード会社などから電話や郵便で督促が来てしまいます。
毎日のように催促状が届いてプレッシャーを感じている方も多いのではないでしょうか?
借金を家族に秘密にしている場合、自宅に届いた督促状を見られて借金トラブルを知られてしまうのも心配なものです。
そんなとき、弁護士に借金問題の解決(債務整理)を依頼すると、督促がぴたっと止まります。
今回は弁護士に借金トラブル解決を依頼すると債権者からの督促が止まる理由をお伝えします。
1.弁護士に債務整理を依頼すると督促が来なくなる
「そもそも弁護士に依頼すると督促が来なくなるなんて本当だろうか?」
と疑問を持つ方もいるでしょう。
実際に弁護士に債務整理を依頼すると督促は止まります。
催促や確認の電話もかかってきませんし、郵便も届かなくなります。
もちろん自宅に来られる可能性もありませんし、職場への電話もかかってきません。
これまで毎日のように自宅へ次々と督促の手紙が届いていた方も、弁護士に依頼すると督促が止まります。
債権者からの督促がプレッシャーになって精神的に追い詰められていた方や家族に知られたくない方には大きなメリットとなるでしょう。
「弁護士に債務整理を依頼したら平穏な生活が戻ってきた」と感じる方も多数おられます。
2.督促が来なくなるタイミングと期間
2-1.債権者から督促が来なくなるタイミング
弁護士に債務整理を依頼して督促を止めるには、弁護士に「債務整理」を依頼しなければなりません。単に借金問題の相談をしただけでは督促は止まらないので注意してください。
依頼する債務整理の種類はどれでもかまいません。以下のうち、いずれかを依頼するとよいでしょう。
任意整理
債権者と直接交渉をして借金の返済額や返済方法を決め直す手続きです。
個人再生
裁判所で決定をしてもらい、借金返済額を減額してもらう手続きです。任意整理よりも大きく借金を減らせます。
自己破産
裁判所で免責決定をしてもらい、借金を全額免除してもらえる手続きです。一切の返済が不要となるので無収入の方などでも利用できます。ただし一定以上の財産は失われます。
2-2.督促が来なくなるまでの期間
弁護士に債務整理を依頼して督促が来なくなるまでの期間は「依頼後1~3日程度」です。
早ければ即日に督促が止まりますが、2~3営業日程度はかかるケースもあります。
いずれにせよ数日経てば督促は一切来なくなると考えましょう。
2-3.督促が続く場合の対処方法
万一弁護士に依頼しても督促が続く場合、依頼先の弁護士へ連絡しましょう。
多くのケースでは貸金業者側で対応が遅れているか、手違いが起こっています。
弁護士が債権者へ事情を問い合わせると、たいていの場合には督促が来なくなります。
相手が故意に督促を止めない場合には金融庁へ通報したり警察へ貸金業法違反で被害届を出したりもできます。
「おかしい」と感じたら気軽に弁護士へ問い合わせてみましょう。
3.弁護士に債務整理を依頼すると督促が来なくなる理由
弁護士がつくと、なぜ借入先から督促が来なくなるのでしょうか?
それは、法律に「弁護士や司法書士が債務整理に介入した後は、債権者は債務者へ直接取り立てを行ってはいけない」という規定があるからです。
債務整理介入後の直接の取り立てを禁止する法律は「貸金業法」です。貸金業法とは、消費者金融会社やカード会社などの「貸金業者」の登録や規制について定める法律です。消費者金融会社やクレジット会社などの貸金業者の事業に規制を設けることにより、消費者が安全にお金を借りられるように配慮しています。
弁護士が債務整理に介入した後にも取り立てが続くと債務者が疲弊するでしょう。債務整理の手続きをスムーズに進められなくなるおそれもあります。そこで貸金業法21条1項9号は、「貸金業者が弁護士・司法書士から受任通知を受け取った後は、正当な理由なく債務者本人へ電話、FAX、訪問などの方法で直接借金を取り立ててはならない」と規定して債務者を守っているのです。
貸金業法21条1項
貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。9号 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法 人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること
このように、弁護士が介入したら取り立てをしてはならないということは貸金業法に明確に定められている法律上のルールなので、正規の貸金業者であればどこでも守ります。
これが弁護士に債務整理(借金問題の解決)を依頼したら督促が止まる理由です。
4.貸金業者以外の債権者は?銀行カードローンの督促も止まる
貸金業法が規制するのは、消費者金融会社やカード会社などのいわゆる「ノンバンク」の貸金業者です。
一方で銀行は規制対象になっていません。たとえば銀行カードローンの借り入れがある場合、銀行からの督促も来なくなるのでしょうか?
現実には銀行やその他の債権者からの督促もほとんど来なくなります。
督促が続く可能性があるのは、個人や闇金、事業者の取引先など一部の債権者に限られます。
確かに銀行などの貸金業者以外の債権者には直接貸金業法による規制が及びません。
ただ「弁護士が債務整理に介入した後は取り立てをすべきではない」「債務整理手続きをスムーズに進めるために取り立てを一旦停止すべき」という法律の趣旨は他業種の債権者にも通じるものです。そこで多くの債権者は貸金業法の取り立て規制を尊重して、弁護士が債務整理に介入した後は取り立てを止めます。
貸金業者以外の銀行カードローンや住宅ローン、事業用ローン、教育ローンなどを滞納している場合にも弁護士に依頼すると督促は止まるので、安心して依頼しましょう。
5.貸金業者が督促をやめなかったらどうなる?ペナルティとは
消費者金融会社やカード会社などが弁護士から受任通知を受け取っても督促をやめなかった場合、ペナルティも課されます。
以下でどういったリスクが発生するのかみてみましょう。
5-1.行政処分を受けるリスク
貸金業者は登録制となっており、すべての貸金業者は金融庁による監督を受けます。
貸金業法やガイドラインなどに従わない場合には、勧告を受けたり業務停止などの行政処分を受けたりする可能性があります。悪質な場合、登録を取り消されて営業ができなくなるケースもあります。そこまでのリスクをおかしてあえて弁護士介入後に債務者へ直接督促しようという債権者はほとんど存在しないといってよいでしょう。
5-2.罰則が適用されるリスク
貸金業法21条1項9号違反には罰則も適用されます。
刑罰の内容は2年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその併科です(貸金業法47条の3第3号)。
刑罰が適用されると、一生消えない前科がついて不利益が大きくなってしまいます。
5-3.信用を失うリスク
貸金業者が法律を無視して弁護士介入後も督促を続けると、貸金業法違反となって行政罰や刑罰が課される可能性があります。
こうしたニュースには話題性があるので、大手の貸金業者等の場合、全国へ実名報道される可能性も高くなるでしょう。
そうなったら貸金業者への信頼が失墜して営業しにくくなってしまいます。得られるリターンよりリスクのほうが相当大きくなるので、貸金業者側としてはあえて弁護士介入後に取り立てを続ける必要性もメリットもほとんどありません。
以上のように、貸金業法違反にはさまざまな重いペナルティもあるので、貸金業者が故意に規定を無視して督促を続けるケースはほとんどないと考えて良いでしょう。
6.訴訟や支払督促は防げない
弁護士に債務整理を依頼すると、電話や郵便、訪問などの方法による督促を防げます。内容証明郵便などの手渡し式の郵便も届きません。
しかし「訴訟」や「支払督促」「強制執行(差し押さえ)」などの裁判所を使った手続きは止められません。消費者金融が債務者へ裁判を起こすと裁判所から「特別送達」という種類の郵便で訴状や支払督促申立書などの書類が送られてきます。
こういった書類が届いた場合、放っておくと預貯金や給料などの財産を差し押さえられてしまうリスクが発生します。早めに債務整理を依頼している弁護士に見せて対応を相談しましょう。裁判を起こされても債務整理できるので、過剰に心配する必要はありません。
7.債務整理はお気軽にご相談ください
DUONでは借金問題の解決に力を入れて取り組んでおり、これまで債務整理への介入によって多数債権者からの督促を止めてきました。
弁護士に依頼すると督促だけではなくいったん借金の支払いもストップします。一時的に借金していなかった頃と同様の生活が戻ってくるので、その間に家計収支を立て直しましょう。
借金問題は1人で抱え込んでいても解決が困難です。DUONでは借金の無料相談に対応していますので、お気軽にご相談ください。
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