個人破産

個人破産の概要

破産には,個人の破産と法人の破産がありますが,ここでは個人の破産について説明します。

個人破産は,債務超過(債務が払えなくなった状態)の人について,裁判所の手続きを通して,債務を無くす手続きです。

破産手続きを行い,債務の免責を受けると,税金等を除き,債務を返済する必要はなくなります。したがって,債務者が生活を立て直すための抜本的な解決が可能となります。

一方,破産手続きをとる場合,この債務者は財産を隠し持っていないか,免責をさせていい人なのか等について裁判所によるチェックがされることになります。

財産をもっている場合,その財産は原則として債権者のために没収されます。但し,現金99万円までは,自由財産としてそのまま債務者が所持することが認められています。

手続の流れ

1 受任通知の発送

破産手続きを行う場合,まず弁護士は債権者に対し,「受任通知」という書面を送ります。受任通知には,弁護士が介入して破産手続きを行うことになったこと,ついては債務額を把握したいので債権者が有する債権の額等について回答してほしいこと,債務者本人やその家族には連絡しないでほしいこと等が記載されています。受任通知を出すことによって,債権者からの請求は一切止まります。これによって債務者は,平穏な生活を取り戻すことができます。債権者が連絡する先は,債務者から弁護士に変わり,債権者からの様々な問い合わせに対し,弁護士が窓口として対応を引き受けることになります。

2 債務額の確定

1週間~1か月程度で,債権者から債権額の回答が出そろいます。これにより,債務の総額が正確に把握できます。利息制限法の利率を超えているものについては,引き直し計算を行います。これにより,債務額が減ったり,過払いが出たりすることもあります。そのような計算を経て,債務の総額が確定します。

3 破産申し立て

弁護士は,必要な書類をそろえて破産の申立てを行います。その後の手続きは,同時廃止か管財手続きかによって分かれます。

(1)同時廃止の場合

資産のない債務者でかつ破産に至る経緯等に問題がない場合,同時廃止という簡易な破産手続きが利用できます。裁判所によるチェックは,ほぼ書面審査となり,破産申立から4か月程度で手続きが終了します。

(2)管財事件

債務を返済できない状態ではあるが,資産も保有している場合,もしくは,資産を保有していなくても破産に至る経緯等に問題がある場合,管財人と言う,債権者側の弁護士がつくことになり,同時廃止の手続きよりも,より詳細なチェックがなされることになります。この場合,管財人の弁護士費用は,債務者が用意しなければなりません。個人破産の場合,20万円程度が必要となります。

破産申し立てをした後,管財人が選任され,最低1回は,管財人と面談のうえ打ち合わせを行います。また,管財人の場合は,債権者集会が開かれ,管財人から債権者への説明の機会があります。また,管財人は,債務者の資産を換価し,債権者に配当します。

手続きの期間は,破産申立後,半年程度ですが,資産の内容や換価の状況等により異なります。

4 免責決定

破産の申立てをしただけでは債務はなくなりません。免責決定がでて初めてなくなるのです。裁判所は,免責不許可事由がないかを確認し,問題なければ免責決定を出します。

個人破産のメリット・デメリット

メリット

  • 税金等を除く債務について免責を受けられる(返さなくてよくなる)。
  • 債権者の同意は不要。

デメリット

  • 信用情報(いわゆるブラックリスト)に載る。
  • 自己破産の情報は官報に掲載される。
  • 訴訟や差し押さえは停止する。
  • ギャンブル等による債務の場合は利用できない。
  • 裁判所や管財人によるチェックが入る。
  • 財産は原則として没収される。

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